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ゴミ屋敷の行政代執行とは?事例・費用負担・回避する方法を解説

2025年2月1日(更新日:2025年02月19日)

「ゴミ屋敷の代行執行とは?」「家族のゴミ屋敷で行政代執行が実施されないか不安」このようにお悩みの方はいませんか?

ゴミ屋敷の行政代執行とは、自治体がゴミ屋敷の片付けを居住者に代わって実施する制度です。しかし、どんな場合に行政代執行の対象になるのかや、費用負担について知らない方も多いでしょう。

この記事では、ゴミ屋敷の行政代執行について、概要や流れ、事例などを紹介します。さらに行政代執行を回避する方法や、居住者がゴミ屋敷の片付けを嫌がる場合の対処法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

ゴミ屋敷の行政代執行とは 

ゴミ屋敷の行政代執行について、概要や費用負担を詳しく説明します。

行政代執行とは自治体がゴミを強制撤去する制度

ゴミ屋敷の行政代執行とは、自治体が条例にもとづきゴミ屋敷の片付けを強制的に実施する制度です。近年、衛生問題や火災リスクなどのゴミ屋敷を原因としたトラブル事例が増えており、多くの自治体が解決のために独自の条例を制定しています。

しかし単に行政代執行でゴミを撤去しても、根本的なゴミ屋敷問題の解決にいたらないケースも。そのため多くの自治体では、生活困窮者に対するカウンセリングの提供や、ゴミの再発を防ぐための支援プログラムの実施などの福祉的支援をあわせて提供し、再発防止を目指しています。

行政代執行の費用は物件の居住者が負担する

行政代執行にかかる費用は、ゴミ屋敷の居住者が負担します。この費用は、自分で片付ける場合よりも高額になることも。なぜなら自治体が専門業者を利用する際、費用削減の工夫が十分にされないため、人件費や廃棄費用が高額になるケースが多いためです。

一般的に費用はいったん自治体が立て替えますが、最終的には全額が居住者から強制的に徴収されます。万が一支払いを拒否した場合には、財産が差し押さえられることも。対象となる財産には現金や、預貯金、株式、不動産、車、貴金属などが含まれます。自己破産を選択しても、行政代執行にかかった費用は免除されない点も覚えておきましょう。

さらに一度行政代執行が決定すると、片付けを自分で行うと申し出ても撤回はできません。そのため、事前に自治体と十分な話し合いを行い、行政代執行を避ける努力をすることをおすすめします。

賃貸がゴミ屋敷化した場合の退去費用目安は、下記の記事で詳しく説明しています。

関連記事:ゴミ屋敷化した賃貸の退去費用|原状回復の範囲や安く抑えるコツについても

ゴミ屋敷の行政代執行が実施される条件と流れ

 

ゴミ屋敷の行政代執行が実施される条件や流れは、自治体の条例によって異なります。ここでは愛知県名古屋市の「住居の堆積物による不良な状態の解消に関する条例」を例に、行政代執行が実施される条件と流れを紹介します。

行政代執行が実施される条件

愛知県名古屋市の「住居の堆積物による不良な状態の解消に関する条例」は、ゴミ屋敷問題を改善するために定められた条例です。居住に使用されている住居やその敷地内にゴミや物品が蓄積・放置され、周辺の生活環境に下記のような著しい支障が生じている場合に適用されます。

  • ・ねずみなどの害虫や悪臭が発生している
  • ・火災発生のおそれがある
  • ・道路に通行障害が生じている

行政代執行が実施される流れ

「住居の堆積物による不良な状態の解消に関する条例」で行政代執行が実施される流れは、下記のとおりです。

  1. 1.調査と通知:市が立ち入り調査を実施し、不良な状態であると判断した場合、居住者に改善を求める通知が送られる
  2. 2.支援:居住者に不良な状態を解消するよう働きかけられる。必要に応じてゴミの撤去・収集の支援や、福祉サービスなどの申請に向けた助言が行われる
  3. 3.指導・勧告・命令:状況が改善されない場合、段階的に指導や勧告が行われ、最終的には命令が出される
  4. 4.行政代執行の実施:命令に従わず周辺環境への悪影響が著しい場合には、有識者の意見を聴いたうえで行政代執行が決定・実施される

一般的に所有者との話し合いや改善の試みが何度も行われるため、解決までに数年かかるケースもあります。

参考:愛知県名古屋市「住居の堆積物による不良な状態の解消に関する条例」

愛知県名古屋市以外にも全国101市区町村(令和4年度「ごみ屋敷」に関する調査報告書|環境省より)で、ゴミ屋敷事案に対応することを目的とした条例が制定されています。条例の有無は、各市町村のホームページで確認しましょう。条例がない場合でも、自治体に相談することをおすすめします。相談数が多い場合など、条例制定のきっかけになるケースもあるでしょう。

ゴミ屋敷の行政代執行が実施された事例 

ここでは、実際にゴミ屋敷の行政代執行が実施された事例を紹介します。現在のところ事例数は限定的ですが、今後は条例の増加により行政代執行の事例は増えることが予想されます。

  • ・愛知県名古屋市の事例
  • ・愛知県蒲郡市の事例
  • ・京都府京都市の事例

愛知県名古屋市の事例

愛知県名古屋市では、2015年に中区松原地区のゴミ屋敷問題が注目を集めました。このケースでは、家からあふれた段ボールやゴミが歩道まで占領し、近隣住民からの苦情が相次ぎました。住人である男性は「ゴミではない」と主張し、改善要求を拒否。これにより、地域住民とのトラブルが繰り返されました。

2015年6月、市は公道を塞いでいる堆積物の一部を撤去しましたが、大きな改善は見られず、その後も再三の指導や勧告が行われました。それでも改善されなかったため、名古屋市は2018年7月に行政代執行を実施。約3日間をかけて業者が堆積物の撤去を行いました。

愛知県蒲郡市の事例

愛知県では蒲郡市でも行政代執行の事例があります。形原町にある民家が20年ほど前からゴミ屋敷状態となり、周辺住民からは「はみ出したごみが通行の妨げになる」「雨が降ると異臭がする」などの苦情が寄せられていました。敷地内には服やタオル、雑誌、ビニール袋、焼酎のボトルなどが高く積み重なり、道路にはみ出すほどの状態でした。

2019年11月に市は条例にもとづき指導を行いましたが改善が見られず、2020年3月9日に撤去命令を出しました。それでも状況が改善されなかったため、2020年3月18日に行政代執行が行われました。撤去作業には市内の廃棄物収集運搬業者のスタッフ13人が携わり、撤去費用として約400万円が居住者に請求されました。

参考:東愛知新聞|「ごみ屋敷」の行政代執行開始

京都府京都市の事例

京都府京都市でゴミ屋敷の行政代執行が実施された事例もあります。このケースでは男性宅前の私道に古紙や雑誌などの堆積物が積まれており、車いす利用者は介助がなければ通行できないほどでした。また老朽化した2階のベランダにも堆積物がため込まれており、崩落の危険性が高い状況でした。

平成21年に最初の相談が寄せられて以降、京都市は長期間にわたり問題の解決に取り組んできました。男性への指導や支援を強化し、計124回の訪問を実施。訪問時には、健康相談や防火指導、福祉制度の案内などを行い男性との関係構築を図る努力が続けられました。

それでも問題が改善されなかったため、平成27年11月13日に行政代執行が実施。行政代執行では、市の職員が45lのゴミ袋で約167袋分の堆積物を撤去しました。

参考:京都市|本市におけるいわゆる「ごみ屋敷」対策について

行政代執行を回避してゴミ屋敷問題を解決する方法

事例で紹介したとおり、行政代執行は周囲の人々に多大な迷惑をかけます。さらに片付けを自分で行う場合に比べて高額な費用が請求されることもあります。そのため、事前にゴミ屋敷問題を解決して行政代執行を避けることが重要です。ここでは、行政代執行を回避してゴミ屋敷問題を解決するための方法を紹介します。

  • ・自治体の支援を活用する
  • ・自分たちでゴミを片付ける
  • ・専門業者に片付けを依頼する

自治体の支援を活用する

ゴミ屋敷問題の解決には自治体の支援を活用する方法があります。自治体が提供する主な支援の一例は下記のとおりです。

  • ・相談窓口の設置:適切なアドバイスや解決方法を提案してくれる
  • ・訪問指導や改善要請:職員が現地を訪問し、住人に対して片付けの必要性を説明する
  • ・清掃作業の支援:自治体によっては、専門業者と連携してゴミの片付けを支援する制度を提供している場合も
  • ・福祉的支援:高齢者や生活困窮者には、福祉サービスの紹介や必要に応じた生活支援を提供する

たとえば東京都世田谷区では、「世田谷区住居等の適正な管理による良好な生活環境の保全に関する条例」を制定し、ゴミ屋敷問題の解決を目指す支援が実施されています。行政代執行を行わずに居住者に対し必要な助言や福祉的な支援を行い解決を目指すことが特徴です。自治体によって提供内容が異なるため、まずはゴミ屋敷がある地区の自治体に問い合わせて確認しましょう。

参考:世田谷区|いわゆる「ごみ屋敷」対策

自分たちでゴミを片付ける

費用をかけずにゴミ屋敷問題を解決したい場合、自分たちで片付ける方法も選択肢の一つです。ゴミを整理し、種類ごとに分別して自治体の回収サービスを利用することで、費用を大幅に抑えられます。さらに作業を通じて片付けの意識が高まり、再発防止につながる可能性もあります。

しかしゴミ屋敷には大量の蓄積物があるため、一人で片付けるのは難しいことが多いでしょう。家族や親族と協力して進めることが重要です。またゴミが収まりきらないほど蓄積している場合や、害虫や悪臭が発生している場合には、専門業者の助けが必要になることも。とくに危険物や不衛生なものが含まれているケースでは、安全性を確保するために専門業者への依頼をおすすめします。

下記の記事では、ゴミ屋敷の状況に応じた判断基準や片付け方法を詳しく解説しています。

関連記事:ゴミ屋敷をレベル別に基準や片付け方法を紹介|費用目安や清掃事例も

専門業者に片付けを依頼する

ゴミ屋敷の片付けを専門業者に依頼することは、迅速で確実にゴミ屋敷問題を解決する方法です。専門業者は、家庭ゴミや粗大ゴミ、リサイクル可能なものを適切に分別し、自治体のルールに従って処理するだけでなく、撤去後には消毒や清掃まで行ってくれます。また害虫やネズミの駆除、消臭などの特殊清掃のサービスを提供する業者も。

専門知識を持ったスタッフが対応するため、大量のゴミも短時間で安全に処理されます。自分で片付ける手間を省き、精神的な負担を軽減することも可能です。

一方で、専門業者に依頼するには費用がかかります。作業規模やゴミの量によっては数十万円以上のコストが発生することも。安すぎる料金設定の業者のなかには、不法投棄や見積もり外の高額請求を行う悪徳業者も存在するので注意が必要です。信頼できる業者を見つけるために、複数の業者の見積もりを比較検討したり、口コミや評判を確認したりすることをおすすめします。

無理をせず、プロの力を借りることで、安全かつ効率的にゴミ屋敷問題を解決しましょう。

本人がゴミ屋敷の片付けを嫌がるときの対処法

いくら家族がゴミ屋敷を片付けたいと思っても、本人が納得しないケースが少なくありません。ゴミ屋敷問題の背景には、心理的な抵抗や深刻な生活問題が隠れていることが多いからです。この章では、居住者がゴミ屋敷の片付けを嫌がるときの対処法を紹介します。

  • ・家族が心理を理解して説得する
  • ・自治体や福祉機関の支援を活用する
  • ・精神疾患や発達障害が原因の場合は専門家へ

家族が心理を理解して説得する

居住者本人がゴミ屋敷の片付けを嫌がるときはまず、家族や周囲の人が本人の心理状態を理解し、共感を示すことが大切です。

ゴミを捨てられない人のなかには「ものを捨てると生活ができなくなる」「大切な思い出も失われる」と不安を感じているケースもあります。感情的に責め立てるのではなく、冷静に話を聞き、共に解決方法を模索する姿勢を示しましょう。

説得する際には、片付けることのメリットを具体的に説明するのも効果的です。たとえば「清潔な空間で健康的に暮らせる」「周囲の人々との関係が良くなる」といったポジティブな結果を示すことで、前向きな気持ちを引き出しましょう。また家族が一緒に片付ける意思を示すことも、本人の不安を軽減し行動を促す手助けとなります。

自治体や福祉機関の支援を活用する

家族だけでは対応が難しい場合、自治体や福祉機関の支援を活用しましょう。多くの自治体には、ゴミ屋敷問題に特化した相談窓口や、片付け支援を行う制度があります。専門の職員が本人への説得を行ってくれる自治体もあります。

また高齢者や生活困窮者に対する支援が行われる自治体も。必要に応じて片付けの手助けや生活改善のためのアドバイスを受けられます。

支援の内容は自治体によって異なるため、ゴミ屋敷がある自治体のホームページや、役所の窓口で確認しましょう。自治体や福祉機関の支援を活用することで、本人だけでなく家族の負担も軽減できます。

精神疾患や発達障害が原因の場合は専門家へ

ゴミ屋敷の原因として精神疾患や発達障害が考えられる場合は、医療や心理的な専門家の介入が必要です。

たとえば、うつ病や統合失調の症状で、集中力や判断力が低下しゴミの片付けが難しくなることがあります。この場合専門家のカウンセリングや治療により病気を治療することが、ゴミ屋敷問題の解決につながります。

また生まれつきの発達障害や、高齢者の認知症が原因でゴミ屋敷になるケースも。これらの場合にも、本人の症状にあわせた専門家のサポートが必要です。障害とゴミ屋敷の関連性を専門家に診断してもらうことで、適切な支援やアドバイスを受けられます。

専門家に相談する際には、地域の精神保健福祉センターや病院、カウンセリング施設を利用しましょう。治療や支援を受けることで、本人の行動が変化し、ゴミ屋敷の片付けが進む可能性が高まります。

ゴミ屋敷になる人の心理や解決策は、下記の記事でも詳しく説明しています。

関連記事:ゴミ屋敷になる人の心理とは?捨てられない理由と解決策を紹介

ゴミ屋敷の片付けを専門業者に依頼した事例 

ここでは愛知県周辺で活動するゴミ屋敷の片付け業者であるエコーズに、ゴミ屋敷の片付けを依頼した事例を紹介します。

【愛知県名古屋市中区 空き家売却前のゴミ屋敷片付け】

作業日 2024年6月14日・15日
プラン・作業内容 ゴミ屋敷の片付け LLプラン以上
建物・間取り 3階建ての戸建て6LDK

(1階事務所は片付けなし・2階一部撤去作業・3階ゴミ屋敷状態ほぼまるごと撤去作業)

対応人数・時間 12名・2日間
回収金額 590,000円(税込)

愛知県名古屋市中区のN様に空き家売却前のゴミ屋敷片付けのご依頼をいただいた事例です。N様は以前にもエコーズをご利用いただいたリピーターのお客様です。今回は、不動産売却に伴い、以前一部片付けを行った2階とゴミ屋敷化していた3階の残置物をすべて撤去してほしいとのご依頼でした。

3階はとても広く、一部屋は完全にゴミ屋敷化し、他の部屋も荷物やゴミが散乱していました。また、大型の家財や電化製品、布団、アップライトピアノ、小物類として大量の食器や衣類が残っている状態でした。早期の不動産売却を控えていたため、無料見積りの際その場で詳細な見積書を作成し提示したところ「1回目もしっかり丁寧に対応してくれたし、今回も信用できる」と即決でご依頼をいただきました。

作業は2日間にわたり、朝9時から開始。N様は立ち会いを希望されなかったため、必要品と撤去物の確認を徹底してから作業に取りかかりました。建物を傷つけないようしっかりと養生を行い、ゴミの分別と搬出を進めました。3階のアップライトピアノについては、クレーン車を手配し窓から吊り下ろして搬出。ピアノ搬出の際は、N様にお立ち会いをしていただきました。その後、3階から順に仕上げの清掃を行い、簡易清掃が完了したすべての部屋をN様にご確認いただきました。

作業完了後、N様からは「今回もエコーズさんに頼んでよかった!作業も予定通りきっちり終わらせてくれてありがとう!また困ったことがあれば声をかけます!」と嬉しいお言葉をいただきました。

この事例では、3階のゴミ屋敷化した部屋を含む大量の残置物を、2日間で迅速かつ丁寧に片付けられました。リピーターのお客様に信頼をいただき、今後も困った際にはご依頼いただける関係を築けた点が大きな成果です。エコーズは、ゴミ屋敷の早期解決を望む方に最適なサービスを提供します。見積もり・ご相談は無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

愛知県名古屋市のゴミ屋敷片付け事例詳細はこちら

ゴミ屋敷の行政代執行を回避してスムーズに解決しよう 

この記事では、ゴミ屋敷の行政代執行について、概要や事例、回避する方法などを紹介しました。

行政代執行が実施されるまでゴミ屋敷を放置すると、周囲に多大な迷惑がかかります。また実際に行政代執行が実施されると、自分で片付けるよりも多くの費用がかかることも。家族の協力や、自治体のサポートを利用して、ゴミ屋敷問題をスムーズに解決しましょう。

「ゴミ屋敷を自力で片付けるのは難しい」「短時間で手間をかけずに片付けたい」とお悩みの方は、愛知県周辺で活動するゴミ屋敷片付け業者「エコーズ」にぜひご相談ください。

エコーズでは、ゴミの仕分け・分別から処分、清掃まで、すべてをプロのスタッフが迅速に対応いたします。また再販可能な不用品の買取にも対応しているため、退去費用を抑えられます。さらに、ハウスクリーニングや特殊清掃のオプションもご用意しており、幅広いニーズにお応え可能です。

お見積もり・ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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